ARJ型ロータリブロワ 日本機械学会 優秀製品賞受賞

「ARJ型ロータリブロワ」が2016年度日本機械学会賞・優秀製品賞を受賞致しました。

日本機械学会 優秀製品賞とは?

日本は世界に誇る機械技術者、技能者を擁し、優れた製品を開発し世の中に送り出しています。それらの製品の中には中堅企業や中小企業による優れたアイデアや地道な創意工夫により生み出された製品が数多くあります。
本賞は、このような社会的価値の高い優れた製品に光を当てることにより我が国の産業基盤の中核を担う中堅企業や中小企業の更なる進化、発展を支援することを目的としています。対象は、機械あるいは機械システムに関連した製品で、開発過程において優れた研究開発力、技術力が認められるものなどの基準に該当したものの中から選ばれます。

日本機械学会による発表

はじめに

ARJ型ロータリブロワ

三葉型ロータのロータリブロワは、低騒音、低振動を目指して、1977年に商品化され、1980年に「ARJ型ロータリブロワ」としてシリーズ化された(風量範囲:1~480m3/min 圧力範囲:9.8~215kPa[2段式ブロワを含む])。
ARJ型ロータリブロワは、シンプルな構造、取扱ガスを汚染しないオイルフリーの特性、圧力の変動に対する定風量特性、高効率という特長から、製鉄、化学、食品、醸造、水処理等、各種産業の高圧ガス、特殊ガスの移送用、空気力輸送用、曝気用等に使用され、ユーザーから高い安全性と性能の信頼を得ている。

ロータリブロワの構造と作動原理

ロータリブロワは、主にケーシング、ロータ、サイドカバー、ベアリング、タイミングギヤ及び潤滑油室で構成されている(図1)。

図1 ロータリブロワの構造

ケーシング内部で2つのロータが、ケーシング内壁及びロータ相互間にわずかな隙間を保って互いに反対方向に回転する。1つのロータの葉端が吸込口を通過する際に、ケーシングとの間で捕捉された一定量のガスが吸込側から吐出側に移送され、高圧側へ押し込まれる形で吐出される(図2)。

図2 ロータリブロワの作動原理

ARJ型ロータリブロワの特長

豊富な軸封構造

ARJ型ロータリブロワは、軸封構造の種類が豊富で、取扱ガスによって軸封構造が選定される(図3及び表1)。特殊ガスの場合にはメカニカルシールが使用される。

図3 ロータリブロワの軸封構造

表1 各種軸封構造と一般的な用途

形式 一般的用途
標準形 主として空気を扱うブロワに適する。
軸貫通部(図3「A」部)にオイルシール、ベアリング背部(図3「B」部)及びロータの軸封部 (図3「C」部)の4箇所にラビリンスシール。
1メカ"K"形 軸貫通部(図3「A」部)にメカニカルシールを1箇所設置。大気へのガス漏れが許されない非溶剤系のガス及び都市ガスなどの軸封に適する。
4メカ"B"形 ベアリング背部の4箇所(図3「B」部)にメカニカルシールを配置。取扱ガスが直接潤滑油に触れないため、溶剤系ガスの軸封に適する。
4メカ"I"形 ロータの軸封部の4箇所(図3「C」部)にメカニカルシールを配置し、取扱ガスと軸受部分を完全に絶縁。潤滑油に触れると反応を起こす特殊ガス及びスチームなどの軸封に適する。

逆流冷却方式

逆流冷却方式(図4)は、ロータリブロワの作動原理を利用した方式で、吐出温度を下げることにより、次のような特長を得ることが可能である。

  1. 高温のガスを冷却せずに吸引することが可能
  2. 通常のロータリブロワに比べて、高真空・高圧力で使用可能
  3. ガスが空気の場合、大気を冷気として使用可能
  4. 特殊ガスでも、吐出ガスをクーラで冷却し、逆流冷気として使用することで対応可能

図4 逆流冷却方式

販売実績

  1. 過去4年間(2012年~2015年度)の4年間の特殊ガス(水素、窒素、都市ガス等)の用途における市場占有率は10~24%(平均17%)であった。
  2. 特殊ガス用途において、軸封構造や冷却機構など技術的な要求事項を複合的に満足できる仕様のものについては、他社との差別化によってほぼ独占的に受注し、納入している実績がある。

ロータリブロワは、取扱ガスの種類や用途により適正な軸封を選定することで、安全且つ安定したガスの供給を可能とする適用範囲の広いブロワである。また、構造がシンプルであるが故に、メンテナンスも容易である。今後も、使用上の容易性、保守の簡便性、種々のガスへの対応性などにより、その用途はますます拡大していくことが予想される。用途の拡大に先んじて、更なる高機能化、メンテナンスフリー化、コスト低減化に取り組み、顧客のニーズに合ったロータリブロワを供給していきたい。

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